謎の文字を追う 第2回
第2回 日本語の記号
【ゝゞヽヾ】【〻】
「ゝゞ」がひらがなの繰り返し記号、「ヽヾ」がカタカナの繰り返し記号だ。今でも時々使われるよね。「すゞらん(スズラン)」とか。
使い方がわからないが、「〻」は縦書き用の繰り返し記号で、「二の字点」だ。
【仝】
「仝」は「同」の異体字で、れっきとした漢字。JISでは「同上」を意味する記号として扱われているようだ。「〃」(ノの字点)などと用法は同じらしい。よく使われる「々」は「仝」の草書体から作られた文字で、「同(どう)の字点」。字の形から「ノマ」と呼ばれることもある。
︻︻
〳〴
〵〵
︼︼
これは縦書き用で、「くの字点」と呼ばれる。行間が空いてるとわかりにくいけど、「く」と「ぐ」を縦長に書いたもの。昔はよく使われてたよね。
以上は総称して、踊り字、繰り返し符号、反復符号、重ね字、送り字、畳字、重字、重点、揺すり字などとも呼ばれる。
【〼】
「ヱビスビールあり〼(ます)」というように、語尾の「〜ます」に米や酒を量る木の升の表す絵を当てはめた「ます記号」。こんなものまで登録されてるのがUNICODEのおもしろいところ。
【ゟ】【ヿ】
合略仮名といって、二文字以上の仮名を一文字で表したもの。
「ゟ」は(ひらがなの)「より」、「ヿ」は(カタカナの)「コト」と読む。
手紙などで「誰々より」と書くところを、一文字で「誰々ゟ」と書いたりするのに使うのだろう。「ゟ」はおそらく「よ」と「り」を続けて書いた崩し文字が字源だろう。「ヿ」も「コト」のくずし文字か、「事」の省略文字と思われる。
他にも「まゐらせさふらふ」を一文字で書いたものなどがあるようだ。スゲェ(^^;)
これらはいわゆる旧字体、旧仮名遣いと呼ばれるもので、明治時代などに盛んに使われたようである。
参考サイト
【〽】
歌記号、庵(いおり)点、合点(がってん)。
もともと江戸時代あたりの箇条書きの文書や連書の和歌の右肩に書いたマークだそうだが、歌詞の頭に付けて、歌詞であることを示す時によく使われている。ただ、付けるのは演歌や浪曲などの場合が多く、ロックなんかではあんまり使われませんな。字源は波か、山か、「へ」か? 浪曲師が使うテーブルを横から見たような形にも見える。
良い例「〽たびぃ〜ゆけぇ〜ばぁ〜…」「〽北の酒場通りには長い髪の女が似合う」
悪い例「〽この雨にやられてエンジンいかれちまった…」
悪い例「ためして〽」
文字の名前がわからないとネットで調べられないが、一度読み方がわかると結構いろいろ情報が出てきて楽しいな。
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