ギャグマンガでシリアスをやってはいけない
テレビで、第6回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞を受賞したというクレヨンしんちゃんの映画(嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦)をやっていた。なんでも「泣ける」話らしい。
親が子供に見せたくない番組ナンバーワンのしんちゃんの映画なのに、なんでこんなに評判がいいんだろう。前からそれを確認してみたいと思っていた。
それで今回見てみたのだが、べつに泣くような感じではなかった。親しくしていたお侍との死別なんかもあるんだけど、そんなえらく悲しい話でもなかったと思うし。
さて、泣ける泣けないは個人の感覚もあるのでいいのだが、問題はギャグマンガのクレヨンしんちゃんでシリアスな映画を作ってしまったことだ。さすがにそんなにまじめなシーンばかりじゃないんだけど、お侍が殺されて大粒の涙を流すシーンがあるなんて、しんちゃんじゃねー! と俺は思うのだ。
この内容の映画を作るのに、わざわざしんちゃんというギャグマンガのキャラクターを使わなくてもいいではないか。映画を見に行って結果的に感動して泣いてしまった人はいるだろうけど、お客が本質的にしんちゃんに求めてるのは、お下品でおバカな笑いだよね。「さあ感動の涙を流すぞ!」って思ってしんちゃんを見る人はいないでしょ?
もしかしたら「子供に見せたくない番組ナンバーワン」の汚名返上のために、わざわざああいうシリアスな感動ストーリーにしたのかな? そうだとしたら余計なお世話だよね。過去に俗悪番組としてPTAからにらまれていたドリフの全員集合が、まじめな劇や、ほのぼのコントになっちゃったら変でしょ? やっぱりアイ〜ンで、うんこちんちんで、だめだコリャなのがドリフなわけだし。
同じようにこれ違うだろ!? と思ったのが、子供の頃見た「うる星やつら・ビューティフルドリーマー」という映画ね。これも本来ドタバタギャグマンガであるはずのものを、押井守という監督が手を加えてこ難しい内容にしちゃったのだ。雰囲気も暗〜いしね。アニメファンの中でもかなり評価は高いらしいのだが、当時から俺は「これ全然うる星やつらじゃないじゃん」と思っていた。監督が何かを表現したいのは勝手だけど、うる星やつらのキャラクターを使ってやらんでもいいよね。まあ、そうでもしないと映画作らせてもらえなかったんだろうけど。
映画でもテレビでも、シリアスで感動するものが上等で、アクションや喜劇は下等だというように見られがちだけど、全然そんなことないよね。シリアス感動ものの中にもくっだらないのはいくらでもあるし、喜劇の中にもすごく心の底から楽しませてくれるものはあるのだ。すべての喜劇、ギャグ、お笑いの制作者は、自分は人の心を明るくするエンターテインメントを作っているのだと思って、自信を持っていい作品を作っていって欲しい。そしてもうこれ以上ギャグマンガのキャラクターにシリアスなことさせないでね。
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はじめまして、いらっしゃい。
「オトナ帝国の逆襲」はもっと泣けるんですって?(^^;)
ブログ気に入っていただいたようでうれしいです。これからもどうぞよろしくです。
投稿: 雅@管理人 | 2005/10/26 18:31
初めまして(*^_^*)とても面白いブログですね。ちょくちょく遊びにきます。嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦をテレビで見て、不覚にも泣いてしまった私・・・。
投稿: mari | 2005/10/26 11:05