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2009/07/08

欲望を抑えきれず…

物欲を抑えきれず、ついカムイ伝第二部の残り10〜12巻を一気買いしてしまった。

サルの話はさておき…、第一部の最後に正助の舌を切って裏切り者の汚名を着せて解放した日置藩代官・錦丹波親子、牢人となった草加竜之進とそれを慕う小姓の音弥、医者で義族を組織する冬木道無と娘のアヤメ、幕府の実権を握ろうとする老中筆頭の酒井忠清と望月藩の佐渡上、それに対抗する堀田兄弟らがメインの登場人物。

百姓と非人を中心に階級闘争を描いた第一部と違い、ほとんどが幕府内部での権力争いが中心。それに人を介して関係を持った竜之進やカムイらが暗躍するような内容。人を介してというのも、途中途中で出会う人物が次々と縁で結ばれていて都合が良すぎる。

一番出てくるのは竜之進で、次が音弥。カムイは途中から見せ場も増えるが、催眠術で敵の記憶をなくしたりとスーパーマン過ぎ。竜之進とともに武士の権力争いの一方に加担しているのもちょっと納得いかないような。
正助とナナ、サエサ、スダレ、仁大夫、キギスなんかも後になってから出てきてなんとなくほっとするが、さほどの活躍はなし。

カムイ外伝から名張りの五ツ(右手が2本ある抜け忍)が出てきたのはかなり意外。
商人の河村瑞軒、両替商の市という正体の今ひとつはっきりしない人物もおり、それぞれ第一部の夢屋七兵衛、その番頭の市(正体はカムイの師匠で抜け忍の赤目)を連想させる。
同じく赤目の師匠を思わせるような凄腕の忍者が、外伝でカムイがサメに食わせて殺した追忍の不動に化けて現れている。
一応赤目は一部の最後で夢屋に撃たれて死んだことになっているのだが、このマンガじゃ変わり身を使っていて実は死んでなかったなんてことがあるので、宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長以上に気を許せない。

最終巻12巻までに、数多い登場人物と伏線の数々、からみあった話がきれいに完結するのかと思いきや、サルの歯っ欠けと白オオカミのカムイが死に、錦丹波の娘・鞘香が出てきたくらいで、多くの話はそのまま尻切れとんぼになっている。もうちょっとまとめられなかったもんかね? たぶん作者も収集つかなくなっちゃったんだろうな。
第三部が構想中とは言え、作者はもう70代後半。まともに完結することは望み薄い。

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