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2010/04/19

吉野家89億円の赤字−過去最悪

牛丼の吉野家が、過去最悪89億円の赤字を計上しているそうだ。

やっぱり値下げし過ぎなんだよね…。そんなに安くしないとお客来ないんだろうか?

たしかに牛丼300円の店と260円の店があった場合、味が同じなら自分も一瞬260円のほうを考えてしまうかもしれないけど、たった40円の差で店を選ぶというのもせこすぎると思う。
際限のない値下げ競争は企業も経済を疲弊させ、弱い者にツケが行くばかりだもんね。
企業経営者もわかってるはずなのに、そうまでしてライバル企業を追い落とし、トップを目指さなきゃいけないんだろうか。
「1位を目指さないと2位にもなれない」というのは、例の事業仕分けの話でさんざんネットの書き込みで読んできたけど、スパコンはともかくとして、牛丼シェアで1位になった先に何があるんだろう?
従業員の給料や労働環境が良くなるの? 牛丼の味がおいしくなるの? 日本や世界の人が幸せになるの?
それともシェア1位じゃないと(もしくは1位を目指していないと)、会社がつぶれて従業員が路頭に迷うとでも言うんだろうか?
十分な利益が上がっているなら、無茶な成長をせずにライバル企業と市場を住み分けて、win winの関係を築くことはできないんだろうか。

こないだ読んだジョージ・オーウェルの「一九八四年」には「権力者にとって、権力は何かの目的を達成するための手段ではなく、純粋に権力が目的なのだ」というようなことが書かれていた。
政治家はもちろん、大企業の経営者もそういう人が多いんじゃないか?
利益が上がってても給料減らし、ボーナス減らし、派遣やパートを解雇してってニュースはよく聞くよね。
何のための企業活動だよ、何のための利益だよって思ってたんだけど、一九八四年で「権力が目的」ということを読んでから「ああ、なるほど」という気がした。
それじゃいつまでたっても従業員の給料も増えなけりゃ、残業も減らないわけだ。

企業のモットーとして「その活動(たとえば製品を作ることなど)を通じて社会に貢献しています」なんてことを掲げている企業も多いと思うけど、日夜働いてくれている従業員を喜ばせられずに、社会のことを喜ばせられるんだろうか。そうしたモットーがすごく嘘くさく感じる。


話はちょっとそれちゃったけど、吉野家の大赤字の話は、そうした企業経営の歪みの現れなんじゃないかと思う。

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