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2014/05/13

美味しんぼの件について雑感

連載中のマンガ美味しんぼが、福島に対する風評被害を助長するとして騒ぎになっている。
この事について、現段階で思うところを書く。

《概要》
福島第一原発取材後に、山岡士郎がひどい疲労感と鼻血を出した。同行した海原雄山も「鼻をかんだら血が混じった程度だが」鼻血が出て疲れやすくなったという。
山岡を診察した医師は「放射線と鼻血を関連付ける医学的知見がない」と言っており、山岡も「うっかり関連付けたら大変だ」と言っている。
それに対し、実名で登場する前双葉町町長の井戸川氏が、鼻血と疲労感は「私が思うに(中略)被ばくしたからですよ」と証言している。「福島には同じ症状の人が大勢いるが、言わないだけだ」とも。
同席した岐阜環境医学研究所の松井所長によると、「大阪で受け入れたガレキ焼却場近くの住民1000人をお母さんたちが調査したところ、放射線だけの影響と断定できないが、鼻血などの不快な症状を訴えた人が800人もあった」という。

高線量地域は危険で、除染には効果がなく、そうした地域には今後人は住めないだろうという点では間違ったことは言ってないと思うが(これに関して異論ある人いる?)、広い福島県全域を一括りにして、足を踏み入れると健康被害が出るというようなミスリードを誘うのは良くないと思う。
ただしマンガは完結しておらず、これからどう展開するのかわからないけどね。

福島に取材に行って鼻血と疲労感というのは、雁屋氏本人の実体験に基づいているようなので、井戸川氏の証言と合わせて一面では事実なんだろうが、被曝との関係が真実かどうかは別問題。
そもそも雁屋氏、井戸川氏はいったいどれだけ被曝をしたの?

焼却場付近の人が体調不良を訴えたという件は、素人による調査でもあり、普段なら気にも留めないありふれた体調不良を、原発事故と関連付けてしまっている可能性もきちんと確かめないといけないんじゃないかと思ったのだが、そもそも大阪で処理したのは福島ではなく岩手からのガレキなんだそうな。
焼却したのは、付近に民家のない人工島にある大阪市環境局舞洲(まいしま)工場。
これは大阪府のサイトですでに指摘されている。
大阪府のサイト/岩手県の災害廃棄物の受入れについて(処理は終了しました)

大きな地図で見る
この件に関しては、信憑性が一気に疑わしくなった。
俺は医者でも科学者でもないから、鼻血や体調不良と被曝の関係なんてわからないけど、それを肯定するにも否定するにも、せめてまともな根拠を示そうよ(>_<;)

逆に本件を叩いている人達の中の「美味しんぼの連載をやめろ」「スピリッツを廃刊にしろ」などという声もまた極端だと思う。
雁屋氏もまた反論すればいい。もうとっくにやってるけど(笑)
間違ったことをしちゃいかん! 間違った人間には一切の申開きは許さん! みたいなのはやだ。
お互い言いたいことを言える方がいい。

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コメント

ネガティブな情報を信じて不安になる気持ちもわからないでもないんですが、狂信的になってポジティブな意見に耳を傾けないのはよくないですね。
こういう時こそ冷静にならなきゃ。
単なる反政府活動としてこういうのを煽ってる人もいると思うんですが、そういう人達はほんと、脱原発活動の邪魔だわ〜。

その雑誌かいました。マンガは中華屋で読むくらいなのでぼくにとっては珍しいことです。気になったので。
福島に人が戻ってきている、復興が進んでいる、放射能の影響は少ない。この手の内容には殆ど無反応なくせに少しでもネガな内容には過剰反応を示す。
残念な国ですね。

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