吾輩は猫である
今まで出だしと結末だけ知っていたが、この度初めて、電子書籍で読み終えた。
猫が全面に活躍して、猫社会と対比する形で人間社会を風刺するのかと思ってたら、ほとんど猫は語り部として、飼い主やその友達のことを上から目線でコケにしている。
猫(吾輩)と近所の猫のエピソードもあるのだが、ほんのちょっとだけ。
有名な車屋の黒なども、ちょっと出てきてすぐに魚を失敬した角で棒で叩かれて足が不具になってしまう。
吾輩が恋した三毛猫もあっさり病気で死んじゃう。
全編を通してのストーリーは特になく、主人である中学校教師・珍野苦沙弥(ちんの・くしゃみ)とその友人ででたらめな薀蓄ばっかり語っているような迷亭、苦沙弥の元教え子で金持ちの金田氏の娘の富子と恋をしている寒月などといった人物の得にも毒にもならないような会話がえんえんと続く。
子供の頃見た、猫のキャラデザインをじゃりン子チエのはるき悦巳がやったアニメとはかなり話が違った。
あちらは寒月と富子の恋が反対されており、駆け落ちするというような物語だったと思う。
でも原作は富子の親はむしろ寒月と早くくっつけたがっており、アニメで深窓の令嬢のようだった富子も気の強い女だった。
ただでさえ長いし、明治の文章で当て字の漢字も多く読みづらいし、あまり動きのないストーリーなので、かなり読むのに苦労した。だいぶめんどくさそうなところは読み飛ばしたし。
でも猫が上から目線で人間達を語ってるのは面白く、ちょっとほくそ笑んでしまうことも度々あった。
主人の苦沙弥に対してさえ、「この男は○○でどうしようもなく…そもそも教師という職業は…」などとかなりバカにしている。
そのバカに仕方が実際の猫がそう考えてそうな感じに見えて、面白かった。
文豪として名高いからもっと高尚な作品かと思ったら、結構滑稽小説(しかも内容がクドい)だったのだね。
聞くと読むとじゃ大きな違いだった。
夏目漱石の他の本はまだ読んだことないけど、坊っちゃんとかもこんな調子でだらだらしたストーリーだったらやだな。
いや、吾輩〜も面白いんだけど、長くてクドいからね。
漱石の処女作らしいから、その後文章が洗練されてくることに期待。
iBooksなどで無料で読めるのでよければどーぞ。
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